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Channel: 孤帆の遠影碧空に尽き
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ポーランド 寛容なウクライナ難民対応 これまでアフリカ・中東難民には冷淡 “二重基準”“差別”?

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(クジニツァ、ポーランド   昨年の夏に発生した、欧州連合(EU)側に中東やアジアからの移民を送り込む、ベラルーシの“ハイブリッド攻撃”に危機感を抱いたポーランドが、東部国境沿いの壁の建設に着工した。【1月28日 YAHOO!ニュース】)
【ウクライナ難民、ポーランドに152万人 受入れを支える市民ボランティア】戦乱のウクライナからの国外に逃れる難民は毎日10万人ぐらいずつ増加しており、現在は260万人ほどになっているようです。
****ウクライナから国外避難約260万人に…体調崩す子ども増加****ウクライナから国外に避難した人は、およそ260万人にのぼっています。隣国ポーランドから橋本雅之記者の報告です。(中略)
現地の医療ボランティアは、避難所の衛生状態が良くないため体調を崩す子どもたちが増えていると指摘します。医療ボランティア「避難所の衛生管理は非常に難しく、多くの避難者が下痢や腹痛に悩まされている状況です」
国連によりますと、ウクライナから国外に避難した人は、およそ260万人にのぼっています。慣れない土地での先が見えない避難生活。戦火の記憶が刻まれた子どもたちの心のケアも大きな課題となっています。【3月13日 日テレNEWS24】********************
こうした難民のほとんどを東欧諸国が受入れていますが、その中でも際立って多いのがポーランド。全体の約6割、152万人に達しているようです。【3月13日 時事】
そのポーランドの難民に心を寄せる受入れ姿勢が連日報じられています。
****ウクライナから50万人以上避難 ポーランドで“運賃無料” 欧州各地に支援の輪広がる****(中略)ウクライナとの国境に近いポーランド東部のターミナル駅では、今も多くの避難者が集まっています。窓口でウクライナのパスポートを見せると、ポーランド国内のどこまで行っても運賃は無料となります。
避難した皆さんは親戚や友人がいる場所に向かったり、行く当てのない人もひとまず大都市であるワルシャワなどに向かいます。そうした避難者の移動の負担を少しでも軽くするための対応です。取材したウクライナの皆さんは口をそろえて「ありがたい」と話していました。
ドイツに向かう避難者 「乗車券が無料でもらえるなんて驚きです。感謝しています」
こうした動きは、ヨーロッパ各地に広がっています。ヨーロッパ大陸とイギリスを結ぶ特急列車「ユーロスター」は、避難者を対象にイギリスのロンドンに到着するまでの区間が無料となっています。
また、ハンガリーの格安航空会社「Wizz Air」もポーランドやハンガリーなどから飛ぶ近距離便10万席を避難者に無料で提供していて、すでに予約ができるようになっています。【3月4日 日テレNEWS24】******************
****隣国ポーランドでウクライナ支援の動きが拡大****ロシアのウクライナ侵攻による戦闘が激しさを増すなか、隣国のポーランドでは、ウクライナを支援する動きが拡大しています。
ウクライナとの国境近くにあるボランティア団体の拠点では、衣類やトイレットペーパー、缶詰などの食料品が山積みとなっていました。これらはすべてウクライナへの支援物資で、ヨーロッパ各地から届けられたものです。
ボランティア団体のリーダー・マーティンさん「つらいですね。特に母親と子どもを目にするときは心が痛みます。ウクライナを助けられるのであれば、どんなことでもやりたいです」
ウクライナの一部地域では、飲料水をはじめ生活必需品のすべてが不足しているということで、ボランティア団体はさらなる支援を呼びかけています。【3月9日 日テレNEWS24】******************
****避難生活の長期化を見据えた支援が始まる ポーランド****ウクライナと国境を接するポーランドでは、避難してきた子どもたちに現地の言葉を教えるなど、避難生活の長期化を見据えた支援が始まった。
ウクライナとの国境に近いジェシュフの大学では、避難してきた子どもたちにポーランド語を教えている。また、劇や映画を見たり、ビリヤードなどで遊べる場所を提供している。 今回の支援は、大学で働いているウクライナ出身の職員たちが中心となって、8日から始まった。SNSや地元のラジオを通じて参加を呼びかけ、これまでにウクライナ人の親子650人が訪れたという。責任者は、「ここに来ることで子どもたちが少しでも戦争のことを忘れられれば」と話している。【3月13日 ABEMA Times】***********************
【今後更に増加も予測 対応の限界も】ただ、次第に難民受入れも限界に近づいている様子も。難民は今後400万人にも膨れ上がるとの国連予測もあります。
****路頭に迷うウクライナ難民=隣国の街「パンク状態」―邦人女性「継続支援を」****(中略)ロシアが侵攻を始めた2月24日以降、ウクライナ難民は増加の一途をたどり、ポーランドでは最多の約152万人を受け入れる。難民を支援する市民は空き家や自宅のゲストルームを開放し、一時的な住居を提供している。政府はこうした市民に対し、受け入れ難民1人につき1日40ズロチ(約1000円)を支給する支援策を打ち出した。 ウクライナ国境から西へ約250キロ離れたポーランド南部クラクフ。現地でコンサルティング会社「ASAGAO」を経営する吉田さんは「以前の1.5倍くらいに人口が増えた。9日ごろから街はパンクしている」と明かす。
クラクフ中央駅は連日人でごった返し、路面を走るトラム(路面電車)も満員状態。ボランティアが提供する住居はほぼ埋まっているとみられ、駅で一夜を明かす人がいるという。(後略)【3月13日 時事】**********************
****ウクライナ難民250万人が隣国流出、東欧諸国の受け入れ限界に****ウクライナからの避難民が250万人を突破し、隣接する東欧諸国での受け入れ態勢が限界に達しつつある。

ポーランド、スロバキア、ルーマニア、ハンガリー、モルドバなど、ウクライナと国境を接する近隣諸国での救援活動は、非政府組織(NGO)や地方自治体の支援に基づき、主に一般市民ボランティアが担っている。戦争が長期化するにつれ、一部都市で宿泊施設が不足するなど、十分な支援を行うことが困難になってきている。

ポーランドの首都ワルシャワに設置された受け入れ施設では、10日までに約70%が埋まった。ワルシャワ市長によると、ウクライナからの避難民が現在、人口の10%超に達しているという。

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のフィリッポ・グランディ高等弁務官は8日、国連はウクライナからの避難民が400万人に達するという想定に基づいた人道支援を計画しているが、計画の拡大が近いうちに必要になる可能性があるとの見解を示した。【3月12日 ロイター】***********************
今後更に増えることが予測される難民対応に関して、各国政府・EUの組織的な取り組み強化が望まれます。
【“手のひら返し”の難民対応 何が違うのか?】話をここで終われば、「ポーランドなどの市民対応は素晴らしい。頑張っている。」ということになるのですが、ちょっと釈然としないものも。
以前のブログでも触れましたが、ポーランドをはじめとする中東欧諸国はこれまでアフリカ・中東・アフガニスタンなどからの難民に対して、仏独などのEU指導部の方針に逆らってまでも、国境にフェンスを築いてまでも、その受入れを拒否してきました。
そうした経緯からすると、手のひらを返したような今回対応に「ずいぶん違うじゃないか・・・」といった印象も。
****難民受け入れ、欧州一変 反ロシア、ウクライナへ共感 戦禍避難、近年は流入阻止****ロシアに侵攻されたウクライナから国外に逃れる人たちが250万人を超えた。欧州側は積極的な難民の受け入れ態勢を敷き、これまでの流入を防ぐ姿勢を一転させている。
「ウクライナのため、自分ができる限りのことをしたい。連帯する気持ちだけです」。ポーランド南東部コルチョーバの避難所で2月末、ソフトウェア会社員のブラド・ユスラブさん(24)は取材に語った。 ポーランドは各国で最も多い150万人以上を受け入れている。ユスラブさんは、仕事を休んで、200キロ以上離れた南部クラクフから駆けつけた。得意の英語を生かし、通訳係を買って出た。「困っていれば、どこの国の何人であろうが関係ありません」。大勢のボランティアが避難所で汗を流す。自宅に招き入れる人も少なくない。
ポーランド政府も避難所や滞在場所を早々に確保。入国後は簡単な手続きで働いたり、学校に行けたりするような制度も次々と整えた。目の前の困った人たちを助けようというムードが社会全体を支配している。 ポーランドに限らず、欧州各国は積極的な姿勢を示す。マクロン仏大統領は2日の演説で「フランスも受け入れを担う」と明言。既に受け入れへと動いている自治体をたたえた。 欧州連合(EU)27カ国は3日、難民を受け入れる緊急保護策で合意。ヨハンソン欧州委員(内務担当)は「歴史的な決断だ」と評し、「連帯を誇りに思う」と述べた。通常の難民申請のような手続きを省いて域内での滞在を認め、働いたり、子どもたちが教育を受けたりできるようにした。有効なパスポートがなくても各国の判断で入域や滞在を認めうるという異例の対応だ。 欧州側の対応はこれまでと大きく変わった。近年、中東などから欧州を目指す難民や移民の上陸や越境を阻む「プッシュバック(押し返し)」が問題になってきた。
2015~16年には、シリアなどから100万人以上が欧州を目指した「難民危機」の際、ポーランドはハンガリーとともに徹底的に受け入れを拒んだ。政府はこれまで移民・難民に厳しい対応をとることで、市民から一定の支持を得てきた。 マクロン氏も昨年8月には、アフガニスタン情勢をめぐり、「不法移民の流入を引き起こす恐れがある」と強調。それ以前も「不法移民とテロの結びつきをはっきり見なければならない。難民保護の権利が悪用されている」と訴えてきた。 同じように戦禍から逃れてきたのに、二重基準とも言えるこの対応の違いはどこにあるのか。ポーランドの主要紙、選挙新聞のユディタ・バトーワ記者は「ウクライナは同じスラブ民族であることが大きい」と話す。歴史的にロシアへの反感が極めて強いこともある。「共感の気持ちが生まれるのは当然だ」という。 だが首脳から差別的な発言も出ている。AP通信によると、ブルガリアのペトコフ首相は2月下旬、ウクライナからの難民について「彼らは知的で教養があり、今は私たちがこれまで経験してきたような難民の波ではない。身元が分からず、過去が不確かでテロリストだったかもしれない人たちではない」と記者団に語った。 難民らを支える39カ国のNGOのネットワーク「ECRE」(ブリュッセル)のキャサリン・ウラード氏は、「難民危機」後の欧州の対応は、保護を求める人たちの到着を阻むことが基本だったという。「敵対的な対応は、人種や宗教も含め、偏見や恐怖感から生まれることがある。移民・難民についての政策も人種的な偏見から形づくられてきた」と指摘する。 ウラード氏は、今回のウクライナ難民の受け入れを高く評価しつつ、「保護が必要な、あらゆる人が同じように扱われなければならない」とも述べ、「開かれていて、一体となった対応が重ねられていくことを願う。(欧州の)政治的な危機を避けることにもつながる」とした。
 ■「肌の色で差別」残る疑念 「そう思わせる土壌、社会に」 越境時、アフリカ系の人ら  ウクライナ国境付近での人種差別も相次いで指摘されている。 首都キエフから西に450キロ離れた西部のリビウ。7日に鉄道駅を訪れると、西隣のポーランドへの脱出を目指す人たちと、リビウに退避してきた人たちでごった返し、身動きが取れないほど混んでいた。 カメルーン国籍のナルシス・シェリィさん(49)が、肩を落として歩いていた。駅員から「お前は乗れない」とポーランド行きの列車に乗るのを拒否されたという。ただ、ウクライナ人の妻との間に生まれた6歳と15歳の子どもたちは乗車できた。ウクライナ人男性の出国は制限されているが、シェリィさんは対象ではない。「納得できない」 シェリィさんは、「『黒人は奴隷』という記憶が、欧米の人たちの頭の片隅に残っている。肌の色で決めつけるなんて、あってよいわけがない」と憤った。 コンゴ民主共和国出身のベネル・フォロさん(19)は、リビウの大学で経営学を学んでいた。車でポーランド国境に向かったが、渋滞のため途中で車を降りて約25キロを歩いた。だが、そこで「人生で最悪の人種差別」を経験。ウクライナ人が優先され、フォロさんらははるかに長い時間を待たされたという。フォロさんらが不平を言うと、ウクライナ兵に銃床で殴られたと訴えた。ポーランドでも同様の差別を受けたという。 現在、ベルギーにいる親戚の家に身を寄せるフォロさんは、電話取材に「差別はすべて肌の色のせいだと思っている。ウクライナ人は『見た目』が欧州の人々と同じで、アフリカや中東の人たちとは違うからだ」と訴えた。ただ、約1年過ごしたウクライナで「人々の優しさを感じ、嫌な思いをしたことはわずかしかなかった」とも付け加えた。 差別事例が相次いで報告されるなか、アフリカ連合(AU)は2月末、「全ての国に対し、国際法を尊重し、人種にかかわらず戦争から逃れる全ての人々に対する共感と支援を求める」とする声明を発表した。 ウクライナ情勢をめぐる国連人権理事会の緊急討議でもアフリカ各国の代表が懸念を表明。ミチェル・バチェレ国連人権高等弁務官もスピーチで、「避難時にアフリカ系やアジア系に対する差別が指摘されている」と言及した。
4日採択された決議には「ウクライナでの紛争から逃れてくる全ての人は、人種や国籍、民族的アイデンティティーに基づいて差別されることなく、保護されるべきだ」と記述された。 難民問題に詳しいケニアのケニヤッタ大学の講師ジョセフ・ワソンガ氏は取材に「アフリカや中東で紛争が起きたとき、欧州へと逃げた多くの人々が難民認定を拒否された」と指摘。「難民の状況や人道的な環境についてオープンでバランスの取れた正直な議論が国連で行われるべきだ」とした。 慶応大の錦田愛子准教授は、欧州社会における肌の色や宗教による差別は根深く、「実際は違う理由があったとしても『自分が非白人だから差別された』と思わせるような土壌がある。一部の政治家らによる差別的な発言も、国内的には問題ないだろうという認識のもとで、本音が出てしまったのではないか」と指摘する。
ただ、難民をめぐり欧州などが積極姿勢に転じた背景については、「ロシア対国際社会」という構図のなかでの、外交的な価値や、突然の侵攻という急迫性を挙げる。 「受け入れの可否は国益を踏まえ、戦略的に決められている。単純に人種や宗教の違いによるダブルスタンダードだとは言い切れない」という。さらに、「受け入れなければ『ロシアの側につくのか』と批判さえされかねない。人種や文化的な親近感もあるだろうが、あくまでも副次的なものではないか」とした。 また、「欧州難民危機の際も、反発が出始めたのは数カ月後。ウクライナのケースも今後、長期化して受け入れ国の負担感が増すことになれば、寛容な受け入れの継続が難しくなる可能性はある」と話した。
 ■日本、積極受け入れ 認定は慎重日本は、国外に避難したウクライナ国民を積極的に受け入れる方針だ。 岸田文雄首相は2日、記者団に「国際社会における重要な局面で、ウクライナの人々との連帯を示すべく、第三国に避難された方々の我が国への受け入れを進めていく」と語った。 日本の難民認定は、国際社会から厳しすぎるとの批判が絶えない。日本は難民条約の「人種、宗教、国籍、政治的意見などを理由に迫害を受けるかその恐れがあるために他国に逃れた人」との定義を厳格に運用。今回もウクライナのような「紛争」だけが理由では難民に当たらないとみて「避難民」との表現を使っている。 このため、政府は通常の難民申請ではなく、ベトナム戦争後のインドシナ難民と同様の枠組みを検討する。外務省関係者は「短期滞在ビザを発給し、更新を繰り返しながら難民申請を待つ流れになる」と話す。 日本政府が受け入れに積極的なのは、ロシア制裁などで米欧との協調を重視しているからだ。力による一方的な現状変更を看過すれば、台湾問題など東アジアの安全保障環境にも影響を及ぼしかねないと警戒。対ロシアで米欧に協力することで、対中で米欧の協力を得られるとの思惑がある。【3月13日 朝日】********************
****ポーランド、避難民の偽情報に苦慮 ロシア関与か****ロシアによるウクライナ侵攻でポーランドへ逃れてきた人々のうち、アジアやアフリカ系の避難民が国境周辺で犯罪行為を行っている−との偽情報がポーランド国内で蔓延(まんえん)している。
アジア・アフリカ系脱出民の一部は中傷や暴行を受けるなどしており、ポーランド政府は対応に苦慮。外国人排斥を訴える同国の極右団体が偽情報の発信源とみられるが、ロシアの関与を疑う声もある。
ウクライナ国境近くのポーランド南東部プシェミシルで今月1日、ウクライナから逃れたインド人3人が何者かに暴行されたと英紙などが報じた。ウクライナから越境してきた中東やアフリカの人々も「国に帰れ」などと暴言を浴びせられたという。(中略)【3月8日 産経】*******************
ブルガリアのペトコフ首相は随分と正直な人柄のよう。「彼らは知的で教養があり、今は私たちがこれまで経験してきたような難民の波ではない。身元が分からず、過去が不確かでテロリストだったかもしれない人たちではない」
これまでのアフリカ・中東からの難民は、教養がなく、身元が分からず、過去が不確かでテロリストだったかもしれない人たち・・・多くの人々の本音でしょう。
更に言えば、今ウクライナで起きているような惨劇は、これまでもアフリカや中東で起きてきたこと。そのとき世界は声を上げたのか?日本の世論は?
まあ、これが現実というものであり、私自身もその中にどっぷりつかって暮らす現実ですから、あまり多くを言うつもりもありませんが、少なくとも自分たちのやっていることが二重基準かもしれない・・・・という思いは頭の片隅にあっていいかも。
アフリカ・中東・アフガニスタンなどでの出来事、そこから逃れようとする人々へ、今のウクライナに寄せる気持ちの五分の一でも、十分の一でも寄せることができたら、もっと素晴らしいでしょう。

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