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Channel: 孤帆の遠影碧空に尽き
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中国  習近平主席の語る民主主義とは・・・ 中国政治の実態は・・・

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(【2019年8月21日 人民網日本語版】中国ファッションにおいても、漢字をプリントするなど、中国伝統文化を重視した「国潮」がブーム。それを支えるのが愛国的若者たち・・・ということのようです)
【習近平主席の語る「民主主義」とは】中国・習近平国家主席が民主主義のあり方について語っています。
****中国・習氏、選挙は「真の民主ではない」 国家指導層の交代にも言及****中国の習近平(シーチンピン)国家主席は13、14日に北京で開かれた議会制度についての会議で演説し「国の政治制度が民主的かという評価は、国家指導層が法に従い、秩序をもって交代できるかどうかで決まる」と発言した。
長期政権に意欲的とされる習氏だが、過度な権力集中への懸念もくすぶる。終身制を否定することで、政権の正統性を示す狙いがある。 中国には日本の国会にあたる全国人民代表大会(全人代)のほか、各地方政府にも議会があり、村レベルでは直接選挙も実施されている。だが、議会活動は共産党の指導下で行われることが原則だ。議会制度のあり方を議論する初の会議で、習氏ら党最高指導部メンバーなどが出席した。 習氏は民主主義について「全人類共通の価値であり、中国共産党と国民が堅持する重要な理念だ」と強調した。民主主義の評価は指導層の健全な交代のほか、公平な競争で指導体制に参加できるか▽政権党が憲法や法律に沿って国家事業を指導できるか▽権力の運用が効果的に監督されるか――などで決まるとした。 一方、選挙制度について「国民が選挙の時だけ聞こえの良いスローガンを聞かされ、選挙後は何の発言権もなく、票を集める時だけ甘やかされて選挙後は疎外される。これは真の民主ではない」と西側諸国を牽制(けんせい)。「民主主義は少数国の専売特許ではない。一つの物差しで世界の多彩な選挙制度を測ること自体が、非民主的だ」とした。 国家指導者の交代については、習氏は2014年の全人代成立60年記念大会でも同様の発言をしている。ただし、その発言内容は19年まで明らかにされなかった。18年の憲法改正で国家主席の任期を撤廃した習氏にとって、こうした発信は毛沢東のような終身制の指導者は目指さないことをアピールする意味を持つ。【10月15日 朝日】***************
国際政治的に意味があるのは“毛沢東のような終身制の指導者は目指さないことをアピールする意味を持つ”という点ですが、個人的に興味があるのは習近平主席の語る民主主義とは・・・というあたり。
口は便利なもので、もっともらしい内容です。
「国の政治制度が民主的かという評価は、・・・・秩序をもって交代できるかどうかで決まる」ごもっとも。 特に昨今は選挙結果に異議が唱えられ、なかなか結果が確定しないという事態は珍しくありませんので。
菅首相から岸田首相への交代が粛々と進む日本などは、極めて民主的と言えるのでしょう・・・ただ、“粛々と”し過ぎてるきらいはありますが。
「国民が選挙の時だけ聞こえの良いスローガンを聞かされ、選挙後は何の発言権もなく、票を集める時だけ甘やかされて選挙後は疎外される。これは真の民主ではない」これまた、ごもっとも。 日本の政治家も肝に銘じて欲しいものです。
【民主主義と相容れない中国政治の実態 偏狭・過剰な愛国主義も】ただ、「一つの物差しで世界の多彩な選挙制度を測ること自体が、非民主的だ」とは言っても、そのことは、中国的統治体制を正当化するものではありません。
選挙制度を含めた「国の政治制度が民主的かという評価」は、やはり人権の尊重、民意の尊重、報道・表現の自由などの基準に照らしてチェックされるべきものと考えます。
習近平氏に言わせれば、それが「一つの物差しだ」ということになるのでしょうが、民主主義を「全人類共通の価値」たらしめている「核心」であると考えます。
そういう考えに立って中国の政治制度・実態を見たとき、甚だ問題が大きく多いことは、今更言うまでもないことです。
自国への批判、負の側面の指摘を許さないというのも、誤りを正す機会を失わせ、民主主義を大きく損ないます。
****中国、海外メディア通報で表彰 負の側面報道を敵視****中国貴州省当局は10日、同省で貧困脱却の取り組みの「マイナス面」を取材していた「反中」海外メディアを通報した地元当局者が、「国家安全への危害」を防ぐのに貢献したとして政府から表彰されたと発表した。
中国では最近、社会の負の側面を伝える海外報道を、中国への攻撃や中傷とみて敵視する風潮が強まっている。 貴州省司法当局は通信アプリ「微信(ウィーチャット)」で、複数の同省畢節市当局者が「国家安全に関する重要な手掛かりを通報し表彰された」と発表。「脱貧困関連の負の情報を違法に取材・報道し、海外で騒ぎ立てたと通報した」と例を挙げた。【10月10日 共同】*****************
国内であれ、国外であれ、社会の負の側面を伝える報道を自国の攻撃や中傷とみて敵視する姿勢というのは、現在の体制を絶対化するものであり、多くの異なる考えを前提にした民主主義とは相容れません。
****中国・共産党側の「英雄を侮辱」、SNS投稿の女性に懲役7月****14日付の香港紙・明報などによると、中国北京市の裁判所は12日、「抗日戦争」後の国民党との内戦で戦死した共産党側の「英雄」をSNS上で侮辱したとして、英雄や烈士の名誉を傷つけた罪に問われた女性に懲役7月の実刑判決を言い渡した。インターネットやメディアを通した公開謝罪も命じた。 女性は3月、中国版ツイッター・ 微博ウェイボー に、国民党の軍事施設を自爆攻撃した若い兵士の名誉を損なう内容の投稿をし、当局に拘束されていた。
裁判所は、女性の投稿が「多くの人々の憤慨を招き、社会に悪影響を及ぼした」と指摘した。愛国精神を強調する 習近平シージンピン 政権は思想統制の一環として、英雄らを侮辱する行為を厳しく取り締まっている。【10月15日 読売】*****************
国家の英雄を侮辱することを許さない・・・と言うこと自体は中国だけでなく、多くの国で見られることですが、最近強調されている愛国精神の一環ということで、きな臭いものも感じます。
自国への批判、負の側面の指摘を許さない姿勢同様、盲目的な愛国精神の強調は自己を正当化し、改善・改革の機会を封じ、他との協調をゆがめます。
そうした偏狭な、あるいは過剰な愛国精神は、「反日」にも向かうことになります。
政治的にはひと頃に比べて「反日」を露骨に出すことは少なくなり、米中対立という状況のもと、日本には融和的な姿勢も多くなったように見え、また、社会的にも(今はコロナで中断していますが)人的往来の増加に伴って、日本に対する“自分の目で見た”評価も次第に増えているようにも思えますが、根底に歴史認識の問題があるだけに偏狭・過剰な愛国精神は「反日」に向かいやすい傾向があります。
****反日感情の高まりか? 中国で日本人学校に対する反発の声****中国では最近、日本に絡んだネット炎上事件が頻発している。靖国神社で記念撮影した中国人俳優が激しいバッシングを受け、事実上の芸能界追放となったことは記憶に新しく、日本関連のことは何でも問題視されているかのようだ。

中国メディアの百家号はこのほど、日本は「100年前にも中国に学校を建設していた」とし、日本人学校に警戒しなければならないと主張する記事を掲載した。

記事の中国人筆者が言う「100年前に存在していた日本の学校」とは、1901年に上海で設立された「東亜同文書院」のことだ。特に、「東亜同文書院」の学生が卒業前に中国各地へ散らばって旅行に行き、地理や文化、天気など様々なことを調査して学校に報告していたことを問題視し、「これは典型的なスパイ養成学校だった」と主張した。

実際のところ、「東亜同文書院」は日中友好協力の基礎を固めるための人材育成が目的で設立されたが、上記のような旅行と調査報告を行っていたことを「スパイ行為」と疑う中国人はいまだに少なくないようだ。

「東亜同文書院」は、終戦のため廃止されたが、記事の中国人筆者は東亜同文書院に絡めて上海にある日本人学校を問題視した。上海日本人学校では基本的に日本人だけしか受け入れていないと指摘し、「日本はここでスパイを養成しているに違いない」と根拠のない主張を展開している。

さらに、中国の土地に建てた学校に中国人が入れないのは「中国人に対する侮辱」であり、完全封鎖された学校内で何を教えているかも分からないというのは、「非常に恐るべきこと」だと読者の不安を煽った。
そして、「中国に建てた学校なのに中国教育部の管理を受けないのはなぜか?中国の法律に従わなくて良いのか?」と疑問を呈し、「中国に建てた学校では中国政府の管理を受けるべきで、校内では中国国旗を掲揚し中国国歌を歌うべきだ。それが受け入れられないなら中国から出ていくべき」と独自の主張をしている。

最近の中国では日本に絡むことに対する風当たりが強くなってきており、ネット上の意見を見ていても反日感情が徐々に高まっていることが感じられる。【10月15日 Searchina】**********************
【かつての盟友・ナンバー2の王岐山国家副主席も排除の対象】一方、現実政治の世界にあっては、これまでも再三取り上げてきたように国家・党の統制・管理があらゆる分野で強化されていますが、中国政治にいつも見られるように、政治の動きは権力闘争的な側面も併せ持って行われています。
****中国、大手国有銀など25機関に汚職一斉調査…「恒大集団」問題など受け金融界引き締めへ****中国共産党機関紙・人民日報は14日、党の汚職摘発機関である中央規律検査委員会が、大手国有銀行など金融分野の25機関に対し、汚職特捜チームに当たる「巡視組」を派遣したと伝えた。 
習近平シージンピン 政権は、経営危機に陥る不動産大手「中国恒大集団」の乱脈経営などを問題視しており、巨額融資に走る金融界を引き締める狙いとみられる。 金融分野での一斉調査は中国の株式市場で株価が暴落した2015年以来で、習政権発足後で最大規模となりそうだ。調査は約2か月を予定しており、「金融分野の腐敗を処罰し、金融リスクを防ぐ」(人民日報)ことに重点を置く。 金融当局の中国人民銀行(中央銀行)や銀行保険監督管理委員会、中国建設銀行や中国工商銀行など4大国有銀行、政府系複合企業の中国中信集団などを対象とする。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)によれば、中国恒大集団や巨額の負債を抱えた複合企業「海航集団」への融資が調査される見込みだ。 調査は、電子決済サービス「アリペイ」を運営するアント・グループや配車サービス大手の 滴滴出行ディディチューシン などへの投資も対象となるとの見方が浮上している。中国政府はこの2社などへの統制を強化している。 金融界では、かつて中国建設銀行を率いた 王岐山ワンチーシャン 国家副主席の影響力が指摘される。習氏の3期目政権発足が確実視される来年の党大会を控え、一斉調査が王氏の影響力低下につながる可能性がある。昨年10月には王氏の腹心の部下だったとされる「巡視組」の元次官級幹部が失脚している。【10月14日 読売】*************************
国家副主席の王岐山・・・「トラもハエも叩く」反腐敗キャンペーンを主導し、習近平政権の基盤を固めたナンバー2の存在でしたが、風向きは変わったようです。一強体制を固めた習近平主席にとって王岐山はもはや用済みとなったということでしょうか。
****習近平の独裁がついにここまで、中国報道機関がすべて国営に****中国のメディア弾圧にはそれなりの長い歴史があるのだが、10月8日に国家発展改革委員会が打ち出した「市場参入ネガティブリスト」(2021年)で、メディア産業から民間資本を締め出す政策が打ち出されたときは、いよいよ来るべき時が来た、という気がした。(中略)
■ 政敵となった王岐山  なんでも権力闘争の視点から解釈するのはチャイナウォッチャーの悪い癖ではあるが、今回のメディア産業からの民間企業排除方針についても、こうした権力闘争の要素が読み取れそうな気がする。  
ターゲットにされているのは、おそらく第一財経や財新などのいくつかの媒体、そして民営インターネットプラットフォーム企業のニュースアプリやSNS上の世論誘導・形成機能ではないか。個々人が運営するセルフメディア退治は、革命烈士侮辱罪や社会擾乱罪、挑発罪といった既存の法律の乱発と見せしめでいくらでも刈り取れる。(中略)また(排除される民間メディア)「財新伝媒」を創業した胡舒立は王岐山と近しい。  
王岐山は現国家副主席、そして習近平政権第1期目では中央規律検査委員会書記として反腐敗キャンペーンの陣頭指揮をとって官僚汚職を成敗してきた。
彼の反腐敗キャンペーンにおける功績は間違いなく習近平政権の地盤固めに寄与したはずだが、今は王岐山と習近平の信頼関係は完全に崩れている。
王岐山は実務能力にたけた有能な官僚であり、習近平が王岐山に自分の権力が脅かされるのではないかと恐れたため、と言われている。
だから、習近平は王岐山の海南航空集団における利権をつぶし、圧力をかけたのだ、と。(中略)つまり習近平にとって王岐山はすでに政敵であり、王岐山から恨まれている自覚もある。
来年秋に長期独裁政権を打ち立てる前に、反撃に出られるのではないかと恐れているとしたら、王岐山が財新のような国内外に影響のあるメディアを使って世論誘導戦を仕掛けてこないように財新は締め付けておく必要がある、などと考えたかもしれない──もっとも、これはあくまでも私の勝手な想像であるが。 
■ 精神の自由と知性を奪う独裁者  もう少し俯瞰的に見れば、習近平は鄧小平の改革開放路線から毛沢東回帰路線に逆走中で、経済成長よりも、格差を解消して「共同富裕」を実現することを優先し、「国進民退」(国有化を進め民営企業を排除)路線をあらゆる領域でやり始めている。
国有化を通じて、不動産市場も、教育産業を通じた子供の思想教育も、ネットやエンタメを通じた世論誘導も、習近平はすべてを完璧にコントロールしたいのだ。ニュースメディアもそうだ。  
だが、すべての統制の中で、メディア、報道のコントロールは、人の精神の自由と知性を奪う最も悪辣な独裁者の手法である。習近平よ、ここまでやるか、という思いだ。  
今年のノーベル平和賞は初めて「報道の自由」がテーマになり、フィリピンのマリア・レッサとロシアのドミトリー・ムラトフという、独裁権力と戦う2人のジャーナリストに授与された。中国ではこのニュースは国営華僑向け通信・中国新聞社が速報を流した後、すぐに報道規制対象となっている。
ノルウェー・ノーベル委員会は今年のノーベル平和賞にもう1人、たとえば蘋果日報(ひんかにっぽう、アップルデイリー)を創刊し、今は獄中にある黎智英(ジミー・ライ)のような中国の独裁権力と戦うメディア人を加えるべきだった。
そうすれば、たとえ中国で報道規制にあっても、中国国内の記者やメディア人たちにひそやかに伝わり、今後、より一層厳しくなるであろうメディア冬の時代を生き抜くために多少の勇気を与えてくれたであろうに。【10月14日 福島 香織氏 JBpress】********************
かつての毛沢東時代の林彪を持ち出すまでもなく、どこの世界にあっても「ナンバー2」というのは微妙な立ち位置。だからこそ不倒翁・周恩来の偉大さがある訳ですが・・・。
【政府は実現できない約束をするべきではない・・・ごもっとも】なお、「共同富裕」については、2050年ごろまでに実現するとのこと。かなりの長期目標です。「共同富裕」の理念が一人歩きして、現在の格差社会の怨嗟が自身にむけられることのないよう、予防線を張ったということでしょうか。
****中国の共同富裕、2050年ごろまでに実現へ=習主席****中国の習近平国家主席は、2050年ごろまでに「共同富裕」の実現を目指す方針を示した。

共同富裕は格差是正を目指す広範な政策。この政策の下でハイテク産業や民間教育産業の行き過ぎを取り締まる動きも出ている。

習主席は、共産党の理論誌「求是」に公表した論文で、政府は実現できない約束をするべきではないと指摘。「福祉主義」の「わな」に陥ってはならないと述べた。【10月15日 ロイター】*********************
「政府は実現できない約束をするべきではない」・・・・これも、習近平主席の言うとおりです。

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